memory
二人きりの美術室の中、彼女は泣いていた。
俺はどうしたらいいのか分からなかった。
彼女が少し落ち着いてきた。
「ごめんなさい。こんな話して。」
「ううん。話してくれてありがとう。凄く嬉しかった。」
「・・・お願い。だから、もう私に話し掛けないで。」
「嫌だ。」
「えっ?」
「俺はそんなことで空井さんを軽蔑したりしない。むしろ凄いと思う。それに、俺は空井さんのこと忘れない。絶対に。」
彼女は驚いた顔で俺を見つめる。
「だから、俺と友達になって下さい。」