memory
6章
夏休みの部活。
給水中に翔が話しかけてきた。
「そういえば、今週末夏祭りだね。」
俺は汗をふきながら、もうそんな時期かぁと呟く。
「澪は空井と行くんだろ?」
健也が言う。
「え?なんで?」
「お前ら付き合ってんじゃねーの?」
「付き合ってない。友達になれただけ。」
「じゃあ、誘えばー?月子ちゃん。」
「だから、陽子だよ。お前ら簡単に言うけどさあ・・・」
俺は言葉を濁す。
「ヘタレか。」
「澪って案外チキンだね。」
今なんかグサッてきたぞ。
「男ならびしっと誘え。」
健也に言われる。
「お、おう。」
「頑張れー。」
翔め。他人事だと思って楽しんでるだろ。
「それよりお前らはどうすんの?」
「俺ら二人でいくよ。お前はそんなこと気にせず、どう誘うかでも考えとけ。」