memory

彼女の浴衣姿、きっと似合うだろうな。

少し期待しながら待っていた。

待ち合わせの5分前になると、彼女がやってきた。

黒地に朝顔柄の浴衣。アップにした髪型が、いつもと違う雰囲気を醸し出している。

ヤバい。期待以上だ。

「ごめん。待った?」

「ううん。じゃあ、行こうか。」

そう言って、彼女の手を取る。

彼女が驚いた顔をする。

これでも手をつなぐの2度目なんだけどな。前回は彼女から握ってきたし。

「はぐれると困るから。」

そう言うと彼女は恥ずかしそうに少し俯く。

髪を上げてるからいつもは見えない白いうなじが見える。



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