memory
7章
夏休みが終わって、新学期が始まる。
みんなまだ夏休みを引きずってほんの少し浮かれている。
焼けた肌。変えた髪型。落としきってないネイル。
みんな誰かにツッコんでもらいたくてしょうがない。
そんな中、彼女は全く変わらずそこにいた。
でも俺は知っている。
彼女は今までとは少し違う。
2学期に入って席替えをした。
奇跡的に俺は彼女と隣の席になれた。
でも彼女は教室内では前の鉄仮面を続けている。
本当の姿を見せてくれるのは、二人きりになった時だけだ。