memory

というわけで、土曜日。

駅前に行くと、すでに彼女の姿があった。

まだ待ち合わせの時間よりも早い。

「空井さん、早いね。」

「いつも、立花君来るの早いから、待たせるの悪いなと思って、早く来ちゃった。」

「じゃあ、行こうか。」

クレープ屋さんに向かう。

「うわぁ、いい匂い。」

彼女が幸せそうな顔をする。

カップル限定デラックスクレープを注文する。

いや、いいのか?カップルで。

確かに傍からみれば付き合ってるように見えるかもしれないが・・・

友達以上恋人未満。まさにこの言葉だ。

もしかしたら、彼女はただの友達にしか思ってないかもしれない。

彼女のことが好きかと聞かれたら、即答でイエスだ。

だがそれが恋愛感情なのかは、俺にもよく分からない。

何より今のこの関係を壊したくない。

彼女のクレープを食べてる至福な顏が見られる。

それだけで、今は満足だ。
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