memory
しかし、それはあまりにも突然にやってきた。
その日は大嵐だった。
10年に1度の大型台風とか天気予報で言っていた。
だから、学校が急きょ休校になった。
俺は朝からずっと家にいた。
そりゃ、台風の日にわざわざ出かける奴なんていない。
風の吹き荒れる音と、雨が窓に打ちつける音が聞こえていた。
妙な胸騒ぎがして、俺は彼女にメールをした。
でも、いつまで待っても返信は来なかった。
いつまで待っても。