抱きしめて。
「この前はごめん。支配人に言われてたんだけど、言い辛くて。」
「大丈夫ですよ。社長さんとてもいい人でしたから。」
少し笑って見せた。
本心から笑えた。
久しぶりの雪さん。
「いい人か…。なんかあったら俺に言えよ?…してやれることなんて少ないし、限られてるけどな……。」
「ただ、雪さんがここにこうしていてくれることが私にとっては何よりも嬉しいんです。だから、暇なときとかはいつでも…ここにきてくれたらいいなって……。それだけです。」
「おお!暇じゃなくてもくるからな!!」
子供の様に無邪気に笑った。