風の声が聞こえる
「お母さんも、ひとりじゃ寂しいんだよ」
むつみのほうがずっとお姉ちゃんっぽいな…。そう思いながら、笑った。今度は、作り笑いではない。
「いづみ、いろいろあって疲れたでしょ?気晴らしに温泉でも行こうか」
「うん…。でも私、さっきむつみに聞いた島に行ってみたいの…ひとり」
「ああ?ヨメ島?」
コロッケを口にしながらむつみが聞いてきた。
「そうそう。どんなところかわからないけれど、海は好き、だから…」
仲直りのデートは、いつもなぜか海だった。波の音を聞きながら、ただ、手を繋いで歩く…。それだけで、今までのことを波がさらってくれた。
だから…今回のことも、波がさらってくれるんじゃないか…って。
…いってきます…
むつみのほうがずっとお姉ちゃんっぽいな…。そう思いながら、笑った。今度は、作り笑いではない。
「いづみ、いろいろあって疲れたでしょ?気晴らしに温泉でも行こうか」
「うん…。でも私、さっきむつみに聞いた島に行ってみたいの…ひとり」
「ああ?ヨメ島?」
コロッケを口にしながらむつみが聞いてきた。
「そうそう。どんなところかわからないけれど、海は好き、だから…」
仲直りのデートは、いつもなぜか海だった。波の音を聞きながら、ただ、手を繋いで歩く…。それだけで、今までのことを波がさらってくれた。
だから…今回のことも、波がさらってくれるんじゃないか…って。
…いってきます…