風の声が聞こえる
はじめまして
小柄で、穏やかそうな男性。長閑な島の青年…といった感じがした。
「観光…ですか?」
「はい。傷心旅行です」
初対面の人に、何を言っているんだろう…自分でも不思議だった。
「何もない島ですが…良かったらご案内しますよ」
「でも、今、配達中ですよね?」
「配達のついでに。どうぞ、お気になさらず」
戸惑う私に、女将さんが後ろから囁いた。
「和賀さんは、島のことをいちばん良く知っているんですよ。遠慮なさらず、案内してもらうといいですよ」
「それじゃあ、お言葉に甘えて…」
私は、和賀さんと呼ばれる郵便配達員の自転車に乗せてもらい、宿を出発した。
「観光…ですか?」
「はい。傷心旅行です」
初対面の人に、何を言っているんだろう…自分でも不思議だった。
「何もない島ですが…良かったらご案内しますよ」
「でも、今、配達中ですよね?」
「配達のついでに。どうぞ、お気になさらず」
戸惑う私に、女将さんが後ろから囁いた。
「和賀さんは、島のことをいちばん良く知っているんですよ。遠慮なさらず、案内してもらうといいですよ」
「それじゃあ、お言葉に甘えて…」
私は、和賀さんと呼ばれる郵便配達員の自転車に乗せてもらい、宿を出発した。