風の声が聞こえる
さようなら
はっ…と目を覚ますと、宿の部屋の布団に横たわっていた。嫌な夢を、見た。布団のすぐそばには、良太くんと和賀さんが並んで座っていた。


一体どこまでが、夢、なんだろう？


「いづみちゃん…ごめん」


良太くんが謝った。さっきの話は、夢じゃないと悟った。この現実を、受け入れなくてはならない。


「良太くんは、悪くない。私に話してくれて、ありがとう」


信じられない話だけれど、私もどこかで亡くなっているらしい。


「あの…私は…いつ亡くなったの？」


良太くんが、和賀さんに視線を送った。


「ヨメ島に向かう飛行機が墜落しました…ただ、あなたはまだ、亡くなってはいません…」


「どういうことですか？」


「ごめんね、いづみちゃん…どうしても話がしたくて…僕がこの島に魂を連れてきてしまった…」


「そんな…」


「あなたは、生と死の狭間にいます。どちらを選ぶかは、あなた次第ですよ？」


和賀さんが、真剣な眼差しを送る。良太くんは、正座で俯いている。



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