風の声が聞こえる
何度も別れ話を持ちかけた。でも、そのたびに綾也は



『もう二度としない。ごめん。オマエがいないと生きて行けない…』



そう言って泣きすがるのであった。私が許すと、2~3日はおとなしくしているのだが、またすぐにDVが始まった。



そんな生活が1年ほど続いた。私は、心身ともにボロボロになった。



あの夜も、ほんのささいなことで、彼が私を殴った。



今度、暴力をふるわれたら正当防衛をしよう。覚悟を決めていた私は、台所からナイフを持ち出した。



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