風の声が聞こえる
むつみは、職場である病院の近くでひとり暮らしをしているが、今日は、私と一緒に実家へと帰ってきた。
「ただいま」
「おかえりなさい!今夜は、あなたたちの好きなコロッケを作るわよ!」
母が大袈裟なくらい明るい声で、温かく迎えてくれた。そんな母の笑顔を見ると、親からもらった体に自ら傷をつけてしまったことを申し訳なく思った。
「お母さんのコロッケ、久しぶり!ねぇ、多めに作ってよ?持って帰って冷凍するから」
「むつみは、ちゃっかりしてるわね」
母と妹の会話に、なんだかホッとした。ホッとしたと同時に、隔たりを感じた。
私は、母の反対を押し切って同棲していたのだから…。
「ただいま」
「おかえりなさい!今夜は、あなたたちの好きなコロッケを作るわよ!」
母が大袈裟なくらい明るい声で、温かく迎えてくれた。そんな母の笑顔を見ると、親からもらった体に自ら傷をつけてしまったことを申し訳なく思った。
「お母さんのコロッケ、久しぶり!ねぇ、多めに作ってよ?持って帰って冷凍するから」
「むつみは、ちゃっかりしてるわね」
母と妹の会話に、なんだかホッとした。ホッとしたと同時に、隔たりを感じた。
私は、母の反対を押し切って同棲していたのだから…。