聖乙女(リル・ファーレ)の叙情詩~はじまりの詩~
「うそ…うそです…あなたが、そんな…」
「うそではない。うそをつく理由もないな。さあ、死に方を選ばせてやる。剣か、雷か、炎か」
少年の瞳が間近にあった。その瞳には、紛れもない殺意がきらめいていた。
リュティアの中で何かがガラガラと崩れていく。
「ならば俺が選ぼう。苦しまないように殺してやる」
少年は右手の剣を大きく振り上げた。
そのまま抵抗もままならないリュティアの白い喉をひと突きにしようとした――その時。
太く鋭い何かが空を切って勢いよく飛来し、少年の体を背中から腹へ貫いた!
それは少年ごとリュティアの腹をもぶすりと突き刺し強い力で引き抜かれる。少年の体が力をなくし、リュティアごとひきずるようにして大地にくずおれていく。
二人の体を貫いたもの、それは死んでいたはずの雷竜の尻尾だった。雷竜は最後の力を振り絞って聖乙女を殺そうとしたのだ。雷竜は一声吼えると、今度こそ動かなくなった。
「騎士様!!」
リュティアは胸に倒れかかる少年の姿を見て色をなくした。
少年の体は鮮血で真っ赤に染まっていた。
少年は、今にも息絶えようとしていた。
「うそではない。うそをつく理由もないな。さあ、死に方を選ばせてやる。剣か、雷か、炎か」
少年の瞳が間近にあった。その瞳には、紛れもない殺意がきらめいていた。
リュティアの中で何かがガラガラと崩れていく。
「ならば俺が選ぼう。苦しまないように殺してやる」
少年は右手の剣を大きく振り上げた。
そのまま抵抗もままならないリュティアの白い喉をひと突きにしようとした――その時。
太く鋭い何かが空を切って勢いよく飛来し、少年の体を背中から腹へ貫いた!
それは少年ごとリュティアの腹をもぶすりと突き刺し強い力で引き抜かれる。少年の体が力をなくし、リュティアごとひきずるようにして大地にくずおれていく。
二人の体を貫いたもの、それは死んでいたはずの雷竜の尻尾だった。雷竜は最後の力を振り絞って聖乙女を殺そうとしたのだ。雷竜は一声吼えると、今度こそ動かなくなった。
「騎士様!!」
リュティアは胸に倒れかかる少年の姿を見て色をなくした。
少年の体は鮮血で真っ赤に染まっていた。
少年は、今にも息絶えようとしていた。