これが、あたしの彼氏です。- 2 -
それから数時間後、あたしは隣に居る矢沢君と遊園地の定番とも言えるジェットコースターや急流すべり、観覧車やらと、とにかくあたしが苦手とする乗りものばかりを乗らされる羽目となった。
その所為であたしの体は想像以上にヘトヘトだ。
その後、ふとポケットに入れていた携帯のディスプレイを確認すると、画面に表示してある時計が丁度18時半を差していた。
もう真っ青だった奇麗な青空も、今では太陽が沈んで少し紫色に染まりかけている。
「……時間、過ぎるの早いね」
「ああ」
楽し過ぎると、どうも時間の流れが速く感じてしまって少し名残惜しい。
「もうそろそろ帰るか?」
「……あ、うん。そうだね」
あたしがどんどん暗くなっていく空を見つめていると、不意に矢沢君が小さな声でそう言った。
「もう遅いし、家まで送る」
「えっ良いよ!悪いよ」
「送る」
「…………」
あたしが否定しても強くそう言ってくる矢沢君にあたしは何だか申し訳ないなあと思いながらも「じゃあ、お願いします」と小さな声で呟いた。