これが、あたしの彼氏です。- 2 -
「…………」
あたしは矢沢君に腕を引っ張られながら駅までの道のりを歩く。
その後、当然のように電車へ乗りこんで、どうしようもない程の居たたまれない空気が静かに流れた。
「…………」
矢沢君の方へチラリと視線を移すと、矢沢君は何故か窓の外ばかりを眺めていて、そんな矢沢君にあたしはどうする事も出来ず、ずっと顔を下へ俯けていた。
「…………」
それでも焦る心臓はどんどん心拍数を上げて、妙に緊張してしまう。
繋がれた手は電車へ乗った時に離されてしまったけれど、それでも違うドキドキが、今度は凄い速さであたしに襲い掛かって来ていた。