これが、あたしの彼氏です。- 2 -
「どうしたの?心」
「いや、なんでもないよ」
由希のその言葉にハッとして、あたしはそっと携帯をポケットにしまい込んだ。
その後、モヤモヤとした気持ちのまま放課後を迎え、あたしは今日も一人帰路についた。
帰っている途中、何度も何度も矢沢君からのメールが頭を掠めたけれど、あたしは矢沢君が指定した場所へは――――向かわなかった。
矢沢君との今のこの関係をどうにかしないといけないと言う事はちゃんと分かっている。けど、そんな心とは裏腹に足が矢沢君のところへ向かおうとしなかったのだ。
「……っ」
まだあの話の続きがあるのかと思うと、複雑で辛くて仕方がなかった。
「……何やってんだろ、あたし」
家に着き、それだけボソッと呟いた。逃げてばかりいちゃ、何も進まないのに。
自分の弱さに本当に本当にムカついた。