これが、あたしの彼氏です。- 2 -


「……はあ、」

あたしは溜め息を一つ零し、ベッドへと体を沈めた。


それから数時間が経った頃、玄関の扉がガチャリと開く音がして「ただいまー」とお母さんの声が聞こえた。
あたしはその声に一階まで階段を下りて「おかえり」とお母さんを出迎えた。


「今すぐご飯作るわね」

「うん」

「心ちゃん、何か顔色悪いんじゃない?大丈夫?」

「えっ!?そ、そんな事ないと思うけど…」

お母さんにいきなり指摘され、あたしはつい肩がビクリと反応してしまう。

チラリとリビングの部屋に掛かっている時計に目をやると、時計の針は19時過ぎを差していた。

「………」

……矢沢君はまだ、あたしの事を待っていたりするのだろうか。


「……っ」

その事を考えると不意にズキンと胸が痛み、矢沢君の事が気になって気になって仕方が無かった。
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