これが、あたしの彼氏です。- 2 -
―――――矢沢君の事は、きっと凄く好きだ。
知らないうちにどんどん矢沢君にハマっていって、矢沢君が隣に居ない事を楽しくないと思ってしまうまでに、あたしはこの茶髪の不良に落ちてしまっていたのだ。
最初は、こんな事全く想像なんてしていなかったのに。
それどころか、矢沢君を嫌がって離れたくて仕方がなかったというのに。
――――今は、矢沢君にもっと触れてほしくて、もっとあたしの名前を呼んで欲しくて、もっとあたしの傍に居て欲しいと思っている。
矢沢君から離れたくないと願っている自分が居る。
「………」
ああ、重症だと心の奥底で実感した。
どうしようもないくらい、この目の前の矢沢君が好きなんだと。
好きで好きで涙が出てしまう程、あたしはこの矢沢君に囚われてしまっているんだと。
心臓が、一瞬ドクンと脈立った。