これが、あたしの彼氏です。- 2 -


あたしが思い切って言葉に出せなかった想いを口にすると、矢沢君は不意に少し目を見開いて、何故か「ふっ」と小さな笑みを零した。
あたしはそんな意味の分からない矢沢君にそっと首を傾げる。


「……な、何で笑うの」

緊張しすぎて、あまり声が出ない。

「…いや、何で丁寧語なのかと思って」

「そ…!……それは、自分でもよく分かりません…」

あたしがだんだん小さくなるような声でそう言うと矢沢君はまた「ふっ」と口角を持ち上げて小さく笑った。

「も、もう、笑わないでよ…っ、あたし物凄く緊張して…」

「ああ、別に笑いたくて笑ってるんじゃねぇよ」

「え、」

「―――ただ、純粋に嬉しかっただけだ」

「………っ」

心臓が、一瞬ドクンと跳ね上がる。

顔を真っ赤にして涙を溜めるあたしに、矢沢君はまた強くあたしの事を抱きしめてきた。


「――――すげぇ、嬉しい」

「……っ」

あたしはそんな矢沢君の言葉と行動にビクリと反応しつつも、ゆっくりと矢沢君の胸に体を預けた。

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