これが、あたしの彼氏です。- 2 -


「ちょっと、意外だっただけだ」

「え?」

「………その、お前の格好だよ」

「…………っ」

矢沢君に此方をじっと見つめられながらそう言われて、あたしはちょこっとだけ顔が熱くなる。

「……きょ、今日の為に、頑張ったの」

「ふーん」

「ど、どうかな?今日のあたし身だしなみではちゃんとリベンジ出来たかな」

「………」

「…や、矢沢君」

あたしが恐る恐る矢沢君に答えを求めると、矢沢君は不意にキュッと口を閉じてしまった。


「や、矢沢君の好みじゃなかったかな…」

「…………」

あたしが小声になりながらもそう言うと矢沢君は不意に「チっ」と舌打ちを零して、上から下まであたしを見下ろして来たかと思うとそっと口を開いた。


「………、可愛くはないけど、似合ってる」

「えっ」

そう言った矢沢君にあたしが少し驚いたような顔を見せると、矢沢君はちょっとだけ頬を染めて「早く行くぞ」といつものようにあたしを急かして来た。
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