これが、あたしの彼氏です。- 2 -
「あ、ちょっ」
あたしの前を歩く矢沢君はあたしの事なんてお構いなしに、スタスタと先を歩いて行く。あたしはそんな矢沢君に「待ってよーっ」なんて言いながら、必死に後ろを付いて行った。
その後、あたしが何とか矢沢君の隣に並べたのは、駅のホームに丁度到着した頃だった。
「……矢沢君、置いてかないでよ」
「お前が要らない事聞いて来るのが悪い」
「むっ。……照れちゃって先行ったくせに」
「あ?電車に間に合わないと思ったからだ」
「何それ!絶対違うもん!」
「お前、そんなに俺が照れたとこみたいか」
「………ちょっとだけ…」
「…聞くんじゃなかった」
「…ムカっ」
その後、あたし達は丁度やって来た電車に乗車して、少し遠のいた先にある遊園地へと向かった。
そこから電車に揺られる事30分、隣に座る矢沢君と他愛もない話をしていると遊園地のシンボルとも言える大きな観覧車が堂々と見えて来た。