これが、あたしの彼氏です。- 2 -
その後、あたし達は大きな入り口を通り遊園地の中へと足を踏み入れた。
今日は隣に居る矢沢君といっぱいいっぱい楽しもうと思う。
「ねぇねぇ、最初は何処行く?あたし、メリーゴーランドが良い!」
「騒ぐな。それに、メリーゴーランドに俺は乗らない」
「えぇ!乗ろうよー」
「……お前、この俺がメリーゴーランドに乗ってるところを想像してみろよ」
「ええ。でもあたし達まだ高校生だよ?大丈夫だよ」
「じゃあ待っててやるから、早速お前だけ乗って来いよ」
「え。矢沢君行かないなら良いや。他のにしよう」
「………」
あたしがハッキリとそう言うと、矢沢君は一瞬目を見開いてそっとあたしから目を逸らした。
そんな矢沢君にあたしは「変なの」なんて思いながら、最初は何に乗ろうか懸命に考えた。