これが、あたしの彼氏です。- 2 -
「うーん、じゃあ…」
「あ。俺アレが良い」
「え?あれって?」
「ほら、あれだ。昇るとこまで昇って、一気に急降下するやつ」
「ぬぁっ、や、矢沢君…、あたしあれだけは無理だよ…」
「あ?弱音吐いてんじゃねぇよ。行くぞ」
「ちょ、待……っ」
ほぼ強制的とも言える矢沢君に腕を引っ張られ、あたしは一気に急降下するという絶叫マシーンに嫌々足を進めた。
「もしこの絶叫マシーンが故障して動かなくなって、自力で降りて来てくださーいとか言われたらどうしよう……」
「んな事あるわけねぇだろ。馬鹿が」
その後、あたしは無理やりにでも矢沢君が乗りたいと言った急降下の絶叫マシーンに乗せられた。
正直心臓はバクバクと高鳴っていて、あたしは落ちる寸前怖すぎて咄嗟に矢沢君の服の袖をギュッと掴ませてもらった。
それでも、あたしの叫び声と恐怖は全く消えなかったのだけれど。