これが、あたしの彼氏です。- 2 -
その後、昼ごはんを無事食べ終えたあたし達はまた何に乗るかを話合いながら歩き始めた。
「ねぇ、次何に乗ろう」
「そうだな。あ、あそこに丁度良いのがあんじゃねぇか。あれ行こうぜ」
「え。どれ?」
「あれだよ」
矢沢君がいきなりスッと指差した方向へあたしもクルリと視線を向けると、そこにはあたしが一番苦手とするジャンルの建物が、黒い雰囲気をまとって建っていた。
「ええっとあの。あたしあれだけはホント駄目で……」
「はあ?だらしねぇな。すぐ終わるんだから、さっさと行くぞ」
「……な、ちょっ」
矢沢君に無理やり腕を引っ張られ、あたしは渋々矢沢君の後ろへ付いて行く羽目となってしまった。駄目だと言っても矢沢君は聞いてはくれないみたいだ。
「二名様ですね。では足元に気を付けて行ってらっしゃいませ」
その後、ニコリと笑ったスタッフさんに案内され、あたしは嫌々苦手な建物に足を運んだ。
「……本格的だな。此処のお化け屋敷」
「……ああ、恐怖で心臓が飛び出たらどうしよう…」
「お前、さっきから有り得ない事ばっか言うんじゃねえ」