これが、あたしの彼氏です。- 2 -


「だ、だって、怖いんだも…―――っ」

「あ?」

「………や、矢沢君。どうしよう。あたし今日、寝れないかもしれない…」

「はあ?」

不意にドンドンドンと音が聞こえて来たかと思えば、白い着物を着たロン毛のお化けがあたし達のところへ全速力で走って来たのだ。

「きゃー!ほら早速来た!こっちにマッハで来てる!こ、怖い!」

「ああ、うるさい。追いかけて来るから逃げるぞ」

「き、来てる来てる!」

「うるさい」

いきなり現れたお化けは駆け足で逃げるあたし達を全速力で追いかけて来た。その姿が本当に怖くて、あたしはちょっぴり涙目になってしまう。

「やばいよっ、追いつかれちゃうっ」

「てめぇ、俺より前を走るな」
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