音色
携帯のアラームが鳴る前に自然と目を覚ます。
ゆっくり目を開けると奏と目が合う。

「おはよ、琴音」

そうはにっこり笑った。

「い、いつから起きてたの?」

「琴音が起きるちょっと前かな?」

「へぇー…」

「琴音の寝顔見てた」

「やっ、やだ‼︎」

「かわいかったよ?」

奏の顔があたしの顔にぐっと近づく。
あたしは顔がカーッと赤くなるのがわかった。

「琴音、顔真っ赤!」

「だって、顔近い…」

奏はふわっとあたしを抱きしめた。

「言ったよね?楽しいこと全部俺が教えてあげるって」

心臓の音がやけにうるさくて、奏に聞こえてしまってるんじゃないかと思った。
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