一般人令嬢は御曹司の婚約者
お皿洗いを終えると、またしてもタイミングよくミスズさんが迎えに来た。
そして案内された場所は、大浴場。
数人のメイドがブラシを手に、掃除に取り掛かっていた。
「トナミさん」
「はい」
ミスズさんが呼ぶと、一人のメイドが駆け寄ってきた。
「なんでしょう」
「この子、今日から入った祝前麻里奈さん。いろいろ教えてあげて」
「分かりました」
別の仕事があるというミスズさんがいなくなると、トナミさんが歩きながら早速指示をくれる。
「あなたは浴槽の掃除をお願い。道具は………これね」
そう言って渡されたのは、一般の浴槽を洗うときによく使うスポンジ。
「これ、ですか………」
「洗剤はまいてあるから、浴槽全部おねがいね」
「はぁ……」
じゃ、と言い残してトナミさんは別の場所に行く。
忘れて欲しくないのが、ここが豪邸だということ、大浴場だということ。
そして、ライオンの口からお湯が出る仕様だということ。
結局、私が何を言いたいのかというと。
「この広すぎる浴槽をひとりでなんて、ないわー………」
これに尽きる。
それでも、時間内に終わらせることができたのだから、人間、頑張れば不可能はないのではないだろうか。
なんていう錯覚をおこしそうになった。
そして案内された場所は、大浴場。
数人のメイドがブラシを手に、掃除に取り掛かっていた。
「トナミさん」
「はい」
ミスズさんが呼ぶと、一人のメイドが駆け寄ってきた。
「なんでしょう」
「この子、今日から入った祝前麻里奈さん。いろいろ教えてあげて」
「分かりました」
別の仕事があるというミスズさんがいなくなると、トナミさんが歩きながら早速指示をくれる。
「あなたは浴槽の掃除をお願い。道具は………これね」
そう言って渡されたのは、一般の浴槽を洗うときによく使うスポンジ。
「これ、ですか………」
「洗剤はまいてあるから、浴槽全部おねがいね」
「はぁ……」
じゃ、と言い残してトナミさんは別の場所に行く。
忘れて欲しくないのが、ここが豪邸だということ、大浴場だということ。
そして、ライオンの口からお湯が出る仕様だということ。
結局、私が何を言いたいのかというと。
「この広すぎる浴槽をひとりでなんて、ないわー………」
これに尽きる。
それでも、時間内に終わらせることができたのだから、人間、頑張れば不可能はないのではないだろうか。
なんていう錯覚をおこしそうになった。