石田君は2人います。
結局、アホなつらについては聞けないままだった。
でも、石田君が昔とかわってなくて少しホッとした。
あの頃のままだ。しゃべり方も、打ち合わせの進め方も、笑い方も……。
私が石田君を好きだった頃と―――。
相変わらず、かっこいいな~……。
ヤバい、また好きになりそうだ……。
そぅなる前に早くこの仕事を終わらせよう。
「俺、この部屋の鍵返してくるから、先に戻ってていいから。」
「いいの?」
「ちょうど、総務に用事もあったし。」
ちくしょ~~。
さりげない優しさも素敵だ。さすがモテる男。
「ありがとう。お疲れ様でした。」
そう言って、会議室で石田君と別れた。