石田君は2人います。
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「じゃあ、優。システムの改良できたら、連絡まってるから。」
「うん、わかった。」
まだ、俺の名前を呼ぶのがぎこちないが、凌と呼ばれて気分は悪くない。
俺だって、昔は優と仕事をしていたし、同期でもある。
第1の石田より優と過ごした時間は長いんだ。
何となく第1の石田には負けたくない、とおもっていた。
負けたくないのは仕事に対してなのか、それとも他の何かなのか、よくわからないが……。
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数日後、優からシステムの改良ができたと連絡がきた。
俺はさっそく、大東企業に連絡をし、改良したものを見てもらった―――。
「どうだった、取り引き先は何て言ってた。凌君。」
食い付き気味に優が尋ねる。
会社に戻った俺は、改良したシステムについて優に連絡し、打ち合わせの時間を作った。
うん、名前呼ぶのも慣れてきたな。
「それがな―――。」