石田君は2人います。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「どうだった、取り引き先は何て言ってた?凌君。」
「それがな―――。」
大東企業に改良したシステムを見てもらい、結果OKとまではいかなかったらしい。
でも、大体は改良したものでほぼ満足したようで―――。
取り引き先は“あともう1歩ってとこですね”って言ったとか。
“あともう1歩ってとこですね”って漠然としていて……。
あとはどこを直せばよいのか―――。
「とりあえず、私なりに考えて、直せるとこなおしてみるよ。また、凌君に連絡する。」
「大変だけど、よろしく頼むな。
他にも担当あるのに。」
「もともと、毎日、残業だもん。
仕事人間よ……。」
ああ、言っていて悲しいわ。
突然、凌君がニヤニヤしだした。
「優、男いないだろ!??」
なッ!
失礼ね!
でも、事実だし……。
「ほっといて。別にほしいとも思ってないわよ。」
さぁ、仕事、仕事というように、持参していた資料を見つめる。