石田君は2人います。

◇◆◇◆◇◆◇◆

「ああ……。」
とため息をついて、小会議室のテーブルに突っ伏す優。


お手上げか……。


お互いにどうしてよいかわからず、ただ時間が過ぎていくかと思ったが



優はとにかく何か考えてみると、打ち合わせは早々に終わった。



ー ー ー ー ー ー ー ‐‐‐‐‐

今日も残業で気がつけば、21時になっていた。


営業は残業が多いのか、他にも数人、まだ仕事をしている社員がいる。


その社員達に、
「お疲れ、あまり遅くならないように。」
と声をかけ先に第2の部屋をでた。


企画室の前を通るとやっぱり、優は残っていた。


しかも、たった一人。
女が一人って……、こんな広い部屋でちょっと薄暗くて、怖くないんだろうか。


企画室のドアの前で、そんなことを思っていると―――。


「早乙女さん、このところ、ずっと残業なんですよ。
帰るのはいつも企画部では最後。」


俺の後ろにいたのは第1の石田だった。
< 27 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop