石田君は2人います。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ああ……。」
とため息をついて、小会議室のテーブルに突っ伏す優。
お手上げか……。
お互いにどうしてよいかわからず、ただ時間が過ぎていくかと思ったが
優はとにかく何か考えてみると、打ち合わせは早々に終わった。
ー ー ー ー ー ー ー ‐‐‐‐‐
今日も残業で気がつけば、21時になっていた。
営業は残業が多いのか、他にも数人、まだ仕事をしている社員がいる。
その社員達に、
「お疲れ、あまり遅くならないように。」
と声をかけ先に第2の部屋をでた。
企画室の前を通るとやっぱり、優は残っていた。
しかも、たった一人。
女が一人って……、こんな広い部屋でちょっと薄暗くて、怖くないんだろうか。
企画室のドアの前で、そんなことを思っていると―――。
「早乙女さん、このところ、ずっと残業なんですよ。
帰るのはいつも企画部では最後。」
俺の後ろにいたのは第1の石田だった。