石田君は2人います。
「第1の石田か。」
「石田課長、いまの課長と早乙女さんの仕事ってペース早すぎじゃないすか?」
いつも、早乙女の前ではニコニコしている石田だが、今は真剣な顔だ。
たぶん、こいつはきっと―――。
早乙女が好きなんだろう。
そう、感じた。
「早乙女さんのデスク、コーヒーのカップがいっぱいあるでしょ。あの人、仕事が行き詰まると、コーヒー超飲むんすよね。」
俺が知らない早乙女を知っている石田。
こいつと早乙女はどんだけ親しいのだろうか?
「俺と早乙女は昔はよく一緒に仕事をしていた。
俺は早乙女ならできると思うから、今の仕事を任せている。
早乙女はできるやつだ。それはお前だってしってるだろ。」
若干キレぎみに話し
勢いよく企画室の中へ入り、早乙女のデスクの前に立つ。