石田君は2人います。
それでも凌君は隣のイスに座り
「だいぶ、華やかさ……ってか、優らしく改良してんな。」
見ていたんだ。
も~、まだ途中なのに。
完成してから、凌君に見せたかったのに。
「好きなように作れるなんてめったにないしね。なんか、夢中になっちゃって。
時間も忘れてた。」
「しばらく、一緒に仕事をしないうちにレベルあげたな。さすがだ。」
「やめてよ、そっちは課長に昇進してるのに。
凌君は早く帰って、彼女に会ってあげなよ。ここのとこ遅くまで残業してたんだから。」
急にしんみり何言い出すんだか。
「知ってるのか?彼女いること。」
なにも今更驚かなくても。
「そりゃ、凌課長の恋愛事情なんて会社中どこにいたって、風の噂で流れてきますよ。」
「……。」
唖然としてるし。
「冗談よ。春美が情報通で会社のいろいろな事情を教えてくれるの。
別に聞いてもいないのにね。」
「春美って、同期の春美か?」
「そうよ、私達の同期でまだ働いている女子社員は私と春美とあと1人くらいよ。みんな、寿退社したんだもの。」
「へえ~~。」
なによ!やけにニヤニヤしちゃって。
「もぅ、早く帰りなよ。
明日中には仕上げて連絡するから。」
「この仕事終わったら、打ち上げ行こうな。」