石田君は2人います。

「さっきのしゃべり方?ああ、石田課長~~ってバカみたいに語尾のばすしゃべり方ね。
からかってみたのよ。
普段からあんなしゃべり方なワケないじゃない。
石田君もあんなしゃべり方の女に騙されないようにね。」


春美って、こんなやつだったのか。


「ああ、心配してくれてありがとう。
そうか、優は休暇中か。」


どうりでいないわけだ。


「優との仕事でなんかあった?」



なんだ?優が俺のこと何か言ってたのか?



「いや、特に何も。どうして?」


「まるであの時みたい……。優が石田君にふられた時。」


「俺にふられた!??」


いやいや、そんな覚えないし。
告白されたことすらない。


「3年前よ。
優が石田君に好きって言う前に、石田君に彼女ができた―――。
落ち込みすぎて1週間休んだのよ。体調不良って仮病でね。」



3年前の彼女?



ああッ!!!
石田君勘違い事件で、優を勝手に避けていた、バカな俺は………。


知らない女子社員から告白され、友達からでもいいからって言われたし、


まぁ、いいかって付き合い始めたんだった~~。


その頃か~~……。


ってか、だいぶイタいな俺。……。
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