最強の情報屋、睡蓮*
『私には姉が居るかもしれないの』
そう聞いたときは驚いたし
ただの冗談だと思っていたが
この事実を聞くと納得もできた
「じゃあ、そいつを…………」
―殺す
そうは言えなかった。
俺の唇は沙由の手によった塞がれていた
「…もうそろそろ縛られるのはやめたら?」
「………何言ってるわけ?
俺は羽衣を…羽衣を不幸にした奴が…
憎くて憎くて仕方ない…
どうにかしてやらないと気がすまねぇ!」
「篤」
その声が、妙に羽衣と重なった
「篤、その気持ちは分かる
私がもしそいつをみつけたとき、
私は何があっても邪魔はしない
邪魔だってさせたりはしない。
だけど、オンオフ大事だと思うよ
なにより、羽衣ちゃんのことだけで
他の仲間を見失わないで…?」