クラッシュ・ラブ
*
そうして、3度目になる、ユキセンセのブローを終えた。
くるくるとコードを巻き取っていると、その間にセンセはワイシャツを纏っていた。
カフスを留める姿に釘付けになる。
自分の父親や、弟の制服もワイシャツだから、目にする機会はたくさんある。
でも、同じなのに、全然違う。
すごい。やっぱり似合う――――。
あまりにカッコよくて見惚れていると、ユキセンセはわたしの視線に気づいて顔を上げた。
「……あんまり着ないから。……ヘン?」
「ぜっ全然!! ヘンなんかじゃないです! むしろすごい似合っ……」
苦笑してセンセは言うけど、わたしはそれを全力で否定する。
あまりに必死になりすぎた自分に気付いて、途中で言葉を止めたから、わたしのほうがヘンに思われそう。
「ふふっ。ありがと」
ちょっとはにかんだように笑って、センセが言った。
そして、ネクタイに手を伸ばし、首に掛けると、難しい顔になる。
白く長い指が持つ、エンジ色のネクタイが映えるなぁ、なんて眺めていると、なかなか結び目が出来ずにいることに気がついた。
骨ばった手を交錯させたりして、どうやらネクタイに苦戦してるようだ。
ただ、わたしはなんにも考えずに、スッとセンセに近づいた。
そうして、3度目になる、ユキセンセのブローを終えた。
くるくるとコードを巻き取っていると、その間にセンセはワイシャツを纏っていた。
カフスを留める姿に釘付けになる。
自分の父親や、弟の制服もワイシャツだから、目にする機会はたくさんある。
でも、同じなのに、全然違う。
すごい。やっぱり似合う――――。
あまりにカッコよくて見惚れていると、ユキセンセはわたしの視線に気づいて顔を上げた。
「……あんまり着ないから。……ヘン?」
「ぜっ全然!! ヘンなんかじゃないです! むしろすごい似合っ……」
苦笑してセンセは言うけど、わたしはそれを全力で否定する。
あまりに必死になりすぎた自分に気付いて、途中で言葉を止めたから、わたしのほうがヘンに思われそう。
「ふふっ。ありがと」
ちょっとはにかんだように笑って、センセが言った。
そして、ネクタイに手を伸ばし、首に掛けると、難しい顔になる。
白く長い指が持つ、エンジ色のネクタイが映えるなぁ、なんて眺めていると、なかなか結び目が出来ずにいることに気がついた。
骨ばった手を交錯させたりして、どうやらネクタイに苦戦してるようだ。
ただ、わたしはなんにも考えずに、スッとセンセに近づいた。