クラッシュ・ラブ
……HAPPY?
*
「……な、んで、離れないの」
「……雪生の、顔がみたい」
彼の、少し上げた顔を覗きこむ。
わたしの目に映る雪生は、瞳に熱を帯びていて、唇はさっきのキスでなのか、少し濡れていて。乱れた髪の毛が、すごく色っぽい。
そんな姿を見て感じるコレは――――欲情?
「――バカ」
「ごめんなさい」
「今日は離さないよ……?」
「わたしなんかで……よければ」
返事を聞いた雪生は、それを合図に姿勢を正すと、いつかのときのようにわたしを抱き上げた。
足元を見ると、雪生のメガネが落ちていて。
ああ、さっきの音はこれが原因だったんだ、と今わかる。
靴も脱いでないのに、それすらも待てないとばかりに、雪生はすぐそこのドアを押し開けた。
――その部屋は、雪生の寝室。
キングサイズの雪生のベッドに、コワレモノのようにそっと降ろされた後、雪生がスニーカーに手を掛けた。
「あっ……じ、自分で」
「ねえ。『わたしなんか』じゃないって、伝わったんじゃなかったの?」
「えっ?」
「今日。見てくれたんでしょ?」
スルッとスニーカーを脱がされて、言われたことに思い出すのは立ち読みした漫画だ。
「【自信持って】って、伝わらない?」
そう言われても、なかなか素直に頷くことが出来ないけど。でも確かに、心には沁みわたる温かな言葉。
自分を好きになれるように。
そんな自分を、相手から好いてもらえるように。
だから、ひとつひとつ、素直に前向きに。迷うくらいなら、飛び込んで行ってしまえという精神で。
「いろんな美希を見て、全部ひっくるめて好きになったから」
仰向けのわたしに、しっとりとした声で囁く。
「美希の全部、教えて――――」
「……な、んで、離れないの」
「……雪生の、顔がみたい」
彼の、少し上げた顔を覗きこむ。
わたしの目に映る雪生は、瞳に熱を帯びていて、唇はさっきのキスでなのか、少し濡れていて。乱れた髪の毛が、すごく色っぽい。
そんな姿を見て感じるコレは――――欲情?
「――バカ」
「ごめんなさい」
「今日は離さないよ……?」
「わたしなんかで……よければ」
返事を聞いた雪生は、それを合図に姿勢を正すと、いつかのときのようにわたしを抱き上げた。
足元を見ると、雪生のメガネが落ちていて。
ああ、さっきの音はこれが原因だったんだ、と今わかる。
靴も脱いでないのに、それすらも待てないとばかりに、雪生はすぐそこのドアを押し開けた。
――その部屋は、雪生の寝室。
キングサイズの雪生のベッドに、コワレモノのようにそっと降ろされた後、雪生がスニーカーに手を掛けた。
「あっ……じ、自分で」
「ねえ。『わたしなんか』じゃないって、伝わったんじゃなかったの?」
「えっ?」
「今日。見てくれたんでしょ?」
スルッとスニーカーを脱がされて、言われたことに思い出すのは立ち読みした漫画だ。
「【自信持って】って、伝わらない?」
そう言われても、なかなか素直に頷くことが出来ないけど。でも確かに、心には沁みわたる温かな言葉。
自分を好きになれるように。
そんな自分を、相手から好いてもらえるように。
だから、ひとつひとつ、素直に前向きに。迷うくらいなら、飛び込んで行ってしまえという精神で。
「いろんな美希を見て、全部ひっくるめて好きになったから」
仰向けのわたしに、しっとりとした声で囁く。
「美希の全部、教えて――――」