㈱恋人屋 ONCE!
そして、三日後。
「じゃあ、行ってきますね。」
「おう。」
「頑張ってね、紗姫ちゃん。」
私はいつも通り更衣室に向かった。
「…何であの人と…。」
正直、あんまり乗り気じゃなかった。三日前にあんなことされたんだから、今日は何をされるか分かったもんじゃない…。
「でも、やらないとな…。」
仕事がだるい、というのを、この時初めて実感したような気がした。
「ん?」
下に降りたが、そこに約束の人はいなかった。
「全く、どこまで自分勝手なんだろ…。」
「誰が自分勝手だ?」
突然、後ろから声がした。だが、後ろには誰もいなかった。
「ちょっと…どこにいるんですか?」
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