㈱恋人屋 ONCE!
「すいません、布団が一つだけで…。」
「でも大丈夫だろ?一応二人入るしな。」
「…。」
もはや何も言う気がなくなった。
「じゃあ、お休みなさい、理さん…。」
「おう、紗姫…。」
背中合わせになり、布団に横になる私達。…ベッド派から布団派に変えといて、本当に正解だった…。
「…紗姫ってさ。」
理さんが言う。
「結構執念深いんだな。」
「へ…?」
「こんなものまで用意しちゃって…。」
理さんはどこからか一枚の紙を取り出した。暗くてよく見えなかったが、それが何なのかはすぐに分かった。
「ちょっと、それって…!」
「タンスの引き出しの隙間からはみ出てたぞ。全く、隠さなくてよかったのによ…。」
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