㈱恋人屋 ONCE！

「な、何勝手に…！」
「やっぱり、お前を選んで正解だった。」
「…え？」
「俺は、元科捜研の人間だった。」
「科捜研…？」
「かつて俺は、コイツの事件を調べてた。…もうちょっと分かりやすく言うなら、黒原叶子が死んだ事件…か？」
「理さん…。」
「俺は証拠品の解析担当だった。すると、ある容疑者が浮かび上がった。それが、コイツだ。」
理さんが写真の人物を指さした。
「ただ、何も見つからなかった。…おまけに、同じ事件を捜査していた捜査員が一人、死んだ。」
「…我修院さん、ですか？」
「…アイツの息子に会ってたんだな。なら話は早い…。」
理さんは私を背後から抱き締め、続けた。