㈱恋人屋 ONCE!
ファイル07・警視庁巡査・倉橋真守
「よし、皆、集合~!」
友也先輩の声に、私はパソコンを打つ動きを止めた。
「お、ついに来たわね。」
「何ですか?」
「見とけば分かるって。」
「…楽しみ。」
「おいおい、もったいぶるなよ班長さ~ん。」
「ゴホン、え~、それではお待ちかね、明細配布の時間で~す!」
「いよっ、班長!」
先輩達の拍手が部屋に響き渡る。
「そっか…今日、給料日だったな…。」
バイトを除けば、人生で初めて自分で稼いだお金だ。私の労働の対価が、ようやく返ってくる。
「じゃあ、まずは紗姫ちゃん。」
班長が封筒を取り出す。
「ありがとうございますっ!」
私は袋を受け取り、テストが返ってきたときのように足早に席に戻った。
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