㈱恋人屋 ONCE!
昼休み。
「ねぇ、いくらくらいもらったの、紗姫ちゃん?」
社員食堂でお昼ご飯を食べていると、隣に京子先輩が座った。
「え?あの、こういうのって、見てもいいやつなんですか…?」
「別にいいわよ?他の会社はどうだか知らないけどね。」
「そうなんですか…?」
私は嬉しさのあまり、明細の入った封筒を内ポケットに入れたままだった。
「じゃ、じゃあちょっと見てみますね…。」
封筒を開け、中身を確認する。
「ふむふむ…つまりは手取りで25万か…って、え?」
自分で稼いだとは思えない大金が、そこにはあった。
「ちょ、ちょっとすごいじゃない、紗姫ちゃん!どんだけエリートなのよ!」
「そ、そうですか…?」
「いいなぁ…。私もそのくらい儲けたかった~。…あ、美味しそうなお昼ご飯じゃない。一口頂き~。」
「あ、ちょっと!それは最後のお楽しみに取っておいたやつなのに~!」
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