㈱恋人屋 ONCE!
その後助け出された私は、真守さんに真相を聞いた。
「強盗にはこう言ったんだ。
『確かに車は用意した。ただし逃走用じゃなくて、逮捕用の、だけどな。』
ってね。」
私の目からは、安心感からか涙が溢れ出ていた。私は真守さんに抱きついた。
「ありがとうございます、真守さん…。」
「…泣いていいよ。怖いのは当然だし、安心して涙腺が緩んだんでしょ?」
真守さんが私の頭を優しく撫でる。その優しさに、私はさらに涙を流したのだった。
「…大丈夫。紗姫さんのことは、何があっても守ってあげる。」
私は嗚咽を止めるのに苦労しながらも思っていた。
日本の警察も結構やるじゃない、と。
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