㈱恋人屋 ONCE!
小さい頃、郁馬とは毎日のように一緒に遊んだ。
一緒にお風呂にも入ったし、一緒にお泊まりもしたし、それはもうずっと一緒だった。
でも郁馬は私立の中学校に通うことになり、それ以来私達は疎遠になっていた。
メールは時々するが、それも本当に時々。
最後に直接話したのは、もう何年も前のことなので忘れてしまった。
そんな郁馬が…再び、私のそばにいるのだ。
ただ、郁馬はすっかり大人っぽくなっていた。私も大人になったんだから、当然のことなのだが。
「それにしても、よく俺だって分かったよな。」
「当たり前でしょ?顔の傷、私忘れてないんだからね。」
「あ、これか…。」
郁馬が自分の頬を撫でる。そこには、私にとっては忘れられない傷跡があった。
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