㈱恋人屋 ONCE!
「野外ステージをやっていたのも、私の元お客様の諸星流矢さんです。」
「そして私を、ジャックさんが発見してくれました。作戦通り。」
ドアが再び開き、晴明さんが入ってきた。
「あそこで俺が肩をぶつけたのも、紗姫の作戦だ。」
「後は…分かりますよね?」
「ふっ…だとして、私が一体何をしたと?」
社長は笑いながら言ったが、顔は引きつっていた。
「簡単に言うと…結婚詐欺ですよね。」
「結婚詐欺?」
「はい。私の母…黒原叶子に社長は嘘の結婚話をして、お金をだまし取った…。」
私は今すぐにでも社長に飛びかかりたい気持ちをぐっとこらえて、続けた。
「そして…母は自殺したんです。」
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