㈱恋人屋 ONCE!
そして、二日が過ぎた。
デスクで一息ついていると、スピーカーから音声が流れた。
「黒原紗姫さん、ご指名入りました。」
「お、アイツか?」
「誰よ、鷺宮?」
「あの噂の留学生って奴。」
翔太先輩の予想は見事に的中した。テレビには、ジャックくんのデータが映っていた。
「もう予習はしたんで、大丈夫です!じゃあ、行ってきます!」
私は元気よく更衣室へ飛び出していった。
実を言うと、私は嬉しかった。
留学生の子と、デートができるなんて。こんな貴重な体験、なかなか出来ない。
「これでいいかな…。」
鏡の前で、自分自身に厳正なジャッジを下す。
「いや、これはこっちにしよう!」
私は再び、元気よく部屋を飛び出し、階段を駆け降りた。
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