㈱恋人屋 ONCE!
「あ、いたいた。」
アメリカ人ということで、やはり周りから浮いている。前の大地くんとは違い、容易に発見できた。
「えっと…ジャックくん?」
私が話しかけると、ジャックくんは私の方を訝しげな顔で見つめた。
「えっと…I’m Saki. You order me, don’t you?」
私が精いっぱいの英語で言うと、ジャックくんは笑顔で答えた。
「はい!」
「あ、日本語喋れるの?」
「はい!勉強してきました!」
まだちょっと拙さそうな部分はあるが、別に問題ないくらいのものだった。
「じゃあ、行こっ。」
私が手を差し出すと、ジャックくんは私の手を握ってくれた。
「はい!…あ、そうだ。僕、行ってみたいところがあるんです!」
「そうなの?じゃあ、連れてって?」
「はい!こっちです!」
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