小学生と隣の狼さん
「……な?刹那っ!おーい」
俺は、気がつくと毎日の通学路を歩いていた。
隣には、優馬。
俺は、無意識のまま、歩いていたらしい。
いつもと変わらない生…活…。
だったはずだった…。
夏花とアンナコトがなければ…な。
「どうしたんだ?刹那。目の下すごい隈。」
ああ。昨日は、夏花のことをずっと考えていたからな…。
「んー、徹夜で…勉強してた…」
「うわ。マジかよ。すげーな。」
「うん…」
真っ赤な嘘。
そんな嘘にも、気づかないで、優馬は呑気に歩いている。
ふと、唇に手をあてる。
そして、昨日のことを思い出す。
夏花と……ッ!!!///
もう、やめた。これは、一旦思考回路を停止しないとヤバイことになる。
俺は、そう理解し、夏花とのことを、
一旦頭から、弾いた。
ーーが、できるはずもなく、頭に留めておいた。