恋と空と金平糖 .
▽ chapter 1
渡り廊下
「唄~、おはよぉさん♪」
幼馴染みの友美が話しかけてきた。
友美は唯一の親友。
ロングでサラサラで、焦げ茶の髪。
高い鼻にぱっちりした瞳。
これは美人としか言い様がない。
「ゆーみん~!おはぁ♪」
あたしは笑顔で答えた。
「てか、うーたんちっちゃ!」
友美がけらけらと笑いながら言う。
どうせ143cmですけど。
「うるさい、ゆーみんの馬鹿!」
そう言ってつられて笑った。
「今度こそ、同クラがいーね!」
友美も笑顔でそう言った。
…… と、同時に
「もうすぐ入学式が始まりますよー」
ハゲの教頭が叫んでいる。
あたしは親指を立てて合図した。
仕方なく旧クラス前に戻る。
今日から新学期が始まり、学年も
上がり、高校2年生になる。
別れと出会いの桜の季節、だから、
また会えるんじゃないかなって
ほんのちょっぴり期待してしまう。