鎖に縛れたお姫様
ハッとする。
いつの間にか、あたし達は会場で踊ってる人達の輪からするすると外れていた。
みるみるうちに中心から遠ざかる。
「ち、ちょっと」
リードされてるから気づかなかった。
「どうした?静かにしてないとステップ間違えるよ」
「あ、あっちに戻ってよ!」
「それは無理。俺、オマエと話したかったんだじっくり。そっちも何か聞きたい 事あるだろ?」
「・・・あるけど、アンタみたいな不気味な奴と2人っきりになるほどバカじゃな い」
「ふーん。でも、もう遅い」
本当に遅かった。